2022年04月16日
世相を反映して荘厳な雰囲気の中にも出てきた変化
近年、葬儀は自宅で行われるケースが激減し、葬祭場で少人数の近親者程度でしめやかに行われることが次第に増えています。身近な人が亡くなっても友人、知人などに声をかけないため葬儀の規模が激変したにも拘わらずしきたりは脈々と受け継がれています。
宗教的な儀式としてのマナーやルールはしっかり組み込まれて残っているようです。世相を反映して通夜あるいは告別式の簡素化を求める風潮が広まっているものの、参列者は頭から足元までできるだけ黒系の衣装で出席することが求められています。
やはり、仏式で行われるケースが多いので伝統を重んじる荘厳な雰囲気を醸し出す必要があると意識されているということでしょう。僧侶による読経が続けられる静かな会場内で参列者が一人ずつ遺影の前に進み出てお別れの挨拶をして焼香するのが昔からの習わしです。
一方で、悲しみに暮れている近親者の気持ちに寄り添うように故人の好きだったメロディーをBGM風に流して、癒し系の雰囲気を醸し出しながら行われるケースも最近受け入れられているようです。中には、静かな雰囲気を打ち破り、音楽葬と銘打って故人の愛唱歌始め、親族や参列者から事前に聞き出しておいた希望曲を葬儀開始と共に流しながら焼香する仕方も行われます。音楽葬は参列者の希望に沿う曲目を流しさえすれば終わってみると違和感が生じなかったとの評判が多いですから、今後も時代と共に会場内の雰囲気が移り変わっていきそうです。音楽が人々の心に与える共鳴のおかげのようです。